2025
7/31
認知症になる?!実は怖い睡眠障害!
こんにちは!薬剤師の平井です。
今回は今年に入り世界的にさらに注目されている「睡眠」と健康についてお伝えしたいと思います。
私も雑誌Tarzan(マガジンハウス)医師 薬剤師 管理栄養士に聞いた間違いないサプリメントやmina(主婦の友社)で「睡眠に良いサプリ」として紹介された「禅のこころ」サプリメントを開発し販売しているほどなので、睡眠と栄養および健康の関連性には長年注視してきました。
安眠の重要性は年を重ねた人々だけでなく、近年若い人たちにも「精神と肉体のパフォーマンスを向上させる」として大いに注目されています。
今年に入りTikTokなどのソーシャルメディアで「Sleep-maxxing!」(:良質な睡眠を得るために最大限努力をする!)が世界的に大流行し大きなトレンドとなりました。
アメリカでもソーシャルメディア上で睡眠のための健康に関するノウハウがあまりに過熱し、一部の誤情報などもひどく拡散し始めたのでこれは危険!ということで医師や研究者などの専門家が数々のニュースメディアで警鐘を鳴らず事態に発展したほどです。
私も専門家らの情報などを興味深くチェックしていました。
ソーシャルメディア上で数々のインフルエンサーたちが以下のように叫んでいる様子が米国メディアでも紹介されていました。
寝る前に、サプリメントを飲み、赤色光メガネをかけ、キウイフルーツを 2 個食べ、鼻孔拡張器を装着し、口にテープを貼り、部屋を完全に暗くし、睡眠アプリを利用し、加重ブランケットをかけよう!!!
その状況を想像しただけで私も吹き出しそうになりましたが、、
因みにキウイフルーツは安眠に必要な栄養素「トリプトファン」が含まれるという理由でインフルエンサーたちか盛んに勧めていて、これは専門家らも否定はしていません。
因みに私が開発した「禅のこころ」サプリメントにも含有している成分です!
「トリプトファン」については過去の記事、こちら と こちら で解説していますが、改めてお伝えすると、精神の安定に欠かせない、脳内の幸福ホルモン「セロトニン」の材料となる栄養素です。
その「トリプトファン」は体内で「セロトニン」だけでなく安眠のためのホルモン「メラトニン」にもなるので、「トリプトファン」を摂取することは、こころを穏やかにして幸福感を感じやすくするだけでなく、睡眠の質を向上させ、ぐっすり眠れるようになるのです。
ミシガン大学医学部の神経学教授であり、同大学の睡眠医学フェローシップのプログラムディレクターを務めているアニタ・シェルギカー博士も、「キウイフルーツには抗酸化物質とトリプトファンが含まれており、睡眠をサポートする可能性が示唆されている研究もある」と認めています。
因みにシェルギガー博士は今年、全米有数の睡眠医学専門学会であるアメリカ睡眠医学会の会長に就任しています。彼女は長年、睡眠医学研究と睡眠障害治療の向上に尽力しており、睡眠障害に悩む患者のために貢献している、いわば睡眠治療のスペシャリストです!
一方、インフルエンサーが勧めるからといって、寝る前に「メラトニン」のサプリメントを無計画に摂取することには医師など複数の専門家は懸念を示しています。
日本では副作用が強く安全に利用できないという理由から、睡眠ホルモン自体の成分「メラトニン」はサプリメントとして販売が法的に許可されていません。やみくもに利用すると頭痛を生じたり、日中でも眠気が続いたり、場合によっては夜中に目が覚めたり精神状態が悪化したりと逆効果になるケースもあるからです。
しかしアメリカでは市販されており簡単に入手出来ることから、誤った利用法で使用してしまう人がしばし問題視されています。
繰り返しになりますが、キウイフルーツにも含有しているアミノ酸「トリプトファン」は、体内でビタミンB群の力を借りて幸福ホルモン「セロトニン」になり、そのセロトニンが睡眠ホルモン「メラトニン」へと変化します。
より安全に、自然な形で安眠ホルモン「メラトニン」を体内で増やしたいのなら、食物にも含まれている栄養素「トリプトファン」を摂取した方が身体にとって安全でベストな選択だといえるでしょう。
このように世界的にみても睡眠の質の向上が大きく注目されている今日この頃ですが、睡眠障害が引き起こす大きなデメリットが近年の研究で明るみになり、問題視されつつあります。
ロチェスター大学トランスレーショナル神経医学センターの教授であり、センターの共同所長も務めているマイケン・ネーダーガード博士によると、なんと睡眠の質が悪いと認知症やアルツハイマー病など脳の疾患になるリスクが上昇するというのです。
睡眠は疲れた脳を休ませるダウンタイムだと思われがちだがそれは間違いであり、脳は睡眠中も重要な働きをしていると博士は言います。
脳が覚醒状態から睡眠状態に移行すると外部情報の処理能力は低下し、逆に病気の原因にもなりうる老廃物の除去などのプロセスが活性化されると博士は説明しています。
睡眠中に脳が病気にならないために頑張って働いているなんて!と驚かれた方も多いかもしれませんが、実際そのような事実が研究によって証明されたのです。
博士の研究ではマウスを用いて、睡眠中に毒素を除去する排水システムが、アルツハイマー病に関連するタンパク質の一部を除去することを発見しました。睡眠中に脳は、まるで腎臓のように体内の老廃物を排出すると博士は説明しています。
これらの脳の機能により、睡眠不足はアルツハイマー病や早期認知症のリスクを増大させる可能性があることが分かったのです。
ネーダーガード博士のこの研究は、世界最高峰の科学学術雑誌であるCell誌に掲載されました。
睡眠不足で認知症にアルツハイマー病のリスク増大…!怖いですよね、、
だったらさっさと睡眠薬を使用したらいいのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし睡眠薬も実は大いに問題があるのです、、博士のこの研究は、一般的に処方される睡眠補助薬ゾルピデムを服用している人にも警告を発しています。因みにゾルピデムは日本でも「マイスリー」という商品名で寝つきをよくする目的でよく処方される医薬品です。
詳細は割愛しますが、博士が睡眠薬(ゾルピデム)をマウスに投与した実験では、マウスは効果的に睡眠を誘発しましたが、脳の老廃物除去プロセスも妨げてしまうという結果となったのです。博士の研究チームはこの結果を受け「ゾルピデムの長期使用について懸念を生じさせる」としています。
せっかく睡眠薬を服用してぐっすり眠っても、睡眠薬のせいで脳の毒素の除去が妨げられ、アルツハイマーや認知症のリスクが高まるだなんて…残念な研究結果ですよね、、
やはり日ごろからストレスをため込みすぎない、こころや睡眠にいい栄養素などを不足なく摂取する、などを意識し、睡眠障害になるまで精神状態などの問題を悪化させないことが重要となることが心底分かる研究結果ですね。
今回は睡眠障害の恐怖についても触れましたが…次回は安眠により素晴らしい健康効果があることにスポットを当てたいと思います!
(※ご注意:現在睡眠薬を処方されている患者様は自己判断で薬を中止する行為は危険ですので絶対にお止めください。睡眠薬も必要に応じて病気の治療のために医師が処方しておりご自身の状況に必要なものです。薬に関しての要望が生じた場合は必ず主治医にご相談ください。)
ここからは余談ですが、前回エナジードリンクの健康被害や危険性についてお伝えした記事で、アメリカでは健康に配慮した次世代のエナジードリンクが近年流行っていて、日本でも注目されていくかも!なんてお伝えしていましたが、日本コカ・コーラ社が最近「健康に良いエナジードリンク」を新発売し、東京の主要駅などでも大々的にプロモーションを行っていますね。
私が記事で記載した製品は実はアメリカで次世代のヘルシー系エナジードリンクとして人気を博しているCelsiusの事だったのですが、日本コカ・コーラ社が現在売り出している製品はまさかのCelsiusと酷似、、!
前回の記事もですが、このヘルスケア実践ガイドを公開する度に読んでくださったお客様方から「情報ありがとうございます!」というお言葉をいただき大変嬉しい限りです。いつもお読みくださっている皆様どうもありがとうございます!
医療および健康関連の情報収集は大好きで、有益な情報があれば皆様にお伝えしたいという気持ちが一番というのが大前提なのですが!私はグローバル株式に投資を行っているのでヘルスケア関連も含め企業分析などは投資のための情報取集でもあります。
上記の飲料メーカーCelsius Holdingsは前々から注目してきましたし、その他事業内容で近年興味深く思っているのはTransMedics社です。
私の父と弟が腎臓内科医ということから、末期腎不全の患者を救う手段である腎移植には強い関心があり、その関係でTransMedics社の技術には注目してきました。
TransMedics社は末期の臓器不全に苦しむ患者の命を救うことに貢献している、臓器移植療法の新時代を担う最先端機器を開発している企業です。
通常心臓など移植のために提供された臓器は氷冷保存液に浸して輸送されます。この従来の方法では臓器は低温により損傷のリスクが増加し移植に利用できなくなるケースもあり、多くの患者が移植を待つ間に命を落としてしまうという深刻な問題がありました。この長年の課題を根底から覆すのがTransMedics社が開発した、提供臓器を生体内と近い状態で保存し、移植を待つ患者のもとへ届けることを可能とした「臓器ケアシステム(Organ Care System, OCS)」です。
分かりやすく言うと、移植用の提供臓器が移動可能な医療機器の中で保存され、最先端技術により生きたまま最適な状態を保ち運ばれるのです!私も興味があってその様子を見てみたのですが、切り離された心臓が医療機器の中で体内と同じように拍動する映像は、何度見ても人体の神秘と力強さを感じ見入ってしまいます。
この革新的な方法により、これまでに損傷が激しく廃棄されていた心停止後提供の臓器なども有効活用できるようになり、より多くの末期臓器不全の患者が救われることが可能となる奇跡のような技術です。移植を待つ患者の待機リストを大幅に短縮することになると大いに期待されています。
現在このTransMedics社の技術は心臓や肺などに活用されていますが、腎臓への適応に向けた研究開発も積極的に行っているので、今後も注目していきたいと思っています。
因みにですが、これらの企業の株を買うことを勧めているわけでは無いですのでご注意ください!
実は私事ですが、近年生まれて初めて病気の治療で入院などを経験しました。現在は幸い手術のおかげで日常を取り戻せているのですが、病気の発覚直後は家族からも心配され、仕事や活動は減らし投資をやりながらゆっくり暮らしたらどうか、など言われました。確かに投資の事だけを考えて生きれば資産形成という点では有利なのかもしれません。ただ、投資で生計を立てている方を軽んじる意図は全くないのですが、それでは何のために生きているのか分からないように感じてしまうのです。
自身が病気になり患者として治療を受け、日本の医療制度の有難さとお世話になった医療従事者の方々への敬意と感謝を心から感じました。病人という立場にならなかったらこのような気持ちは分からなかったと思います。自身のこの経験を踏まえ、社会に役立てる活動が私も微力ながら出来ればと思っています。